彼女とはぎらぎらの夜の街で出会った。
自分はネオンだ、と名乗るその名は明らかに真実ではなかったが、この街ではそれすらもどうでもいい。
必要なのは確かな存在。
名なんて付け足しに過ぎない。昨日の女と名前が入れ替わったって、今抱いている体だけが真実。
女は限り無く優しく、限り無く柔らかく、どこまでも温かい。
この夜の街には不釣り合いなほどの温かさに、ぎゃくに体が冷える。
ネオン。
夜には温かく、美しく。
やがて朝がやってくる頃、ネオンは消えた。
ぬくもりは消え、白み始めた朝の空気が体を包む。
浄化の空気は真実を照らし出す。
ホームの向こうにネオンがいた。喉元で声は止まる。
固く冷たくこわ張った体と疲れた顔が、僕の体に火を灯す。
優しく柔らかく温かい彼女は夜だけのネオン。
朝には消え果ててしまう。
また 夜に会いましょう

毎朝午前5時の電車で仕事に行く私。
始発の駅のホームにはいろんな人がいます。
お仕事帰りのお姉さんたちや、飲みすぎた男の人。
喧嘩している人や、泣いている人。
そんな都会の朝を見ながら、作ったSSです。
同じときに作った詩もUPしてありますのでよろしければそちらもドウゾvv